アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介! 
月の剥がれる_出演者紹介_榊菜津美
榊 菜津美 1990年 エクアドル生まれ北海道育ち
2010年ひょっとこ乱舞初出演、2013年アマヤドリ入団。
子どもと仲良くなることが得意。
外部作品の出演は、TOKYO PLAYERS COLLECTION『IN HER TWENTIES』、
□字ック『媚媺る、』、
Straw&Berry『モリー』など。
2012年、アマヤドリ「フリル」にて、佐藤佐吉演劇祭・石田リンクス賞俳優賞受賞。
 
─『月の剥がれる』という作品についての榊さんの考えをお聞かせください。

 
   正直、初演に出たときはピンと来てなかったし、台本もあえて距離を取りながら読んでしまうという感覚がありました。良くも悪くもわたしはポジティヴなことしか考えないところがあって、自分が死ぬとか、死によって何かに抗議するとか、リアルに考えられないなって思って。初演の時点では祖父母が四人とも元気だったんですよ、だから自分の家族が死ぬっていう経験もなくて、「人が死ぬ」っていうことにリアリティがないから、死を利用して何かを成し遂げるってことも余計想像がつかなかった。本当に自分は「死」ってことに向き合って来なかったんだなっていうことをすごく思いました、初演のときには。

 
  いや、想像がつかないっていうのは、今もですね……。自分の命をもって何かを伝えたい、……全然わかんない。「サンゲ」の人たちって、自分が死ぬことによって未来を変えようとするけど、その未来には自分はいないわけですよね。ほんとにあたし自分中心に生きちゃってるから(笑)、自分が死んだ後の世界のために自分の命を使うとか、ちょっと、未知の領域すぎて。

 
  でも、あらためてこの戯曲を読んでみて、たとえばソラっていう人物の「ずっと醒めない夢のなかにいるのかもしれない」みたいな台詞は、自分のそういう感覚とつながってくる部分があるのかもと思いました。というのは、実際過去にも、戦争とか宗教とかで、自分じゃない何かのために命を捨てて来た人たちがいて、たぶん未来にもそういうことする人は絶対いて、現在だってそういうのは起こっているはずなのに、今自分のまわりはめっちゃ平和で、死による抗議とかを遠く感じてしまう……ということ自体が、「夢みたい」なことなんじゃないかって。広田さんがどんな意図で台詞を書いていたかは分からないけれど。でも、自分のまわりの現実がぼやっとしている、その一方で、わたしは全然詳しいことは分からないですけど、今日本で戦争が起こるとか起こらないとかで騒々しいじゃないですか……だから、夢から醒めつつある感覚も、ちょっとあるんです。それは初演のときには考えなかったことですね。

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