アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介! 
月の剥がれる_出演者紹介_笠井里美
笠井 里美 東京都出身。
高校卒業後、劇団俳優座研究所に入所。
3年間在籍し、卒業。
2006年、ひょっとこ乱舞『水』に参加。以降、劇団員となる。
外部作品への出演には、東京デスロック、五反田団、ホチキス、ナカゴーなどがある。
アマヤドリの群舞の振付経験を活かし、最近では外部で振付をする事も。
犬猫をこよなく愛し、近年人よりも動物に話しかけている時間の方が長くなっている。

─『月の剥がれる』という作品についての笠井さんの考えをお聞かせください。
 

 初演のときはまだ客観的に作品を観る余裕がなかったのですが、三年経って距離をとって、このあいだあらためて映像を観てみたら、「壮大」な作品だなって感じました。今まで自分がかかわった演劇作品のなかでも。

 わりと広田さんの作品は劇のなかで人が死ぬっていうことが少なくて、たとえば『ロクな死にかた』だったら死んだ後、主人公が死んでからの話なのですが、『月の剥がれる』では劇中たくさんの人が死ぬ。自分が初演でやった役も、命を捧げてもいいと覚悟を決めている人なわけで、でも今の日本人の感覚からすると、ふだん命を危機にさらすことなんてないし、諸外国の紛争も遠い話だし、だから私たちの日常生活のスケールからすると、相当温度差のある作品になっている。初演のときの自分も、普通の精神状態ではない状態で演っていたように思います。

 出演者が多いから「壮大」という意味ではなくて……最初に台本を読んだときにすごいなって思ったのが、戦争の問題とありふれた「怒り」という感情を結びつけて、そこからさらに国家の基盤の憲法の話につなげているところ。もうその時点で扱っているテーマが壮大だなって感じてました。向かっている問題意識が尋常じゃない。

 そして、そういう深刻なテーマが中心にありながらも、いろんな要素を持っているいろんな登場人物が出てくる。それこそ、その人のバックグラウンドだけで一つ作品が書けちゃいそうな人物も複数出てくるし、人間関係のなかの葛藤もあるのだけれど、テーマ自体を体現するような人物はいない。いろんな視点のドラマを複雑に組み合わせていつの間にかテーマが浮かびあがるように書かれていて、そういう戯曲上の問題の捉え方の面でもまた「壮大」だな、って感じます。
 
★アマヤドリ本公演『月の剥がれる』ご予約はこちらから