アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介!  

石井 葉月 東京都出身 1992年5月28日生まれ
小学生で、当時憧れていた「葉っぱ隊」に女性ではなれないという
人生初の挫折を乗り越え演劇を始める。
2015年3月「悪い冗談」以降、アマヤドリの劇団員となる。
主な出演作は、モラトリアムパンツ「ヒットナンバー」岡安伸二演出「BANRYU」等。

 
─『月の剥がれる』という作品についての葉月さんの考えをお聞かせください。 

 考えてもすぐに答えは出せないし、出たとしても、それが正解かどうかは分からない。そういう作品だと思います。作品の側から自分が問われている感じがします。

 平和のために命を捨てるっていう人達が出てくる物語ですけど、そんなこと、自分だったら絶対に出来ないだろうって思うんですね。また、未来の学校で平和のために怒りを捨てた、ひとつ人間味を失ってしまった人達というのも出てきますけど、もし怒りを削がないと平和が得られないんだとして、そこまで平和って大切なものなのか?とも思う。怒りこそ、必要な感情で、面白いものとすら思ってしまいます。

 この作品と向き合い始めて、自分の見過ごしてしまっていた事の多さに気付かされます。普段、本気になって平和についてなんて考えてなかったんですよね。今は立ち止まらされて考えざるを得ない感覚です。

 過去に自分は、ひめゆりを題材にしたお芝居をやった事があって、「戦争は無くさなくちゃいけない、戦争は起こしちゃいけない」っていう気持は、自分の中に強く芽生えたし、そういう発言も今までしてきました。でも、作品のように自分の命と引き替えにしてまで世界を平和にしたいかって問われると、分からない。反戦~!なんて言うのは簡単なんですけどね。実際自分の世界平和に対する想いの薄さに、ひきました。勿論死ぬ事だけが、正解ではありませんが、世界と向き合う本気度が追いつかないですね。

 稽古を進めていくにつれて、今後考えるべき事や課題は、増えていくと思うのですが、まずは、作品の中にそういう「問い掛け」があるという事を大切にしたいです。自分はまだ答えは出せません。人によって出る答えも違うのでしょうが、実際観る人にとっても、色んな問い掛けがあり考えるきっかけになる作品だと思います。

 その一方で──広田さんがよく言うことなんですが──そういうガチな作品であるだけに、演じ方として、重さも出しつつ、あえて明るく表現するということも必要だと思ってます。『ロクな死にかた』の時に、あたし死んでしまう役だったんですが、だからこそおまえが一番明るくやれって広田さんからは言われていて。悲しいと感じるのはお客さんであって、自分から悲しく見せるものではないって。『月の剥がれる』のDVDを最初観た時も、どんだけ暗い作品だろって身構えたんですけど、予想以上に明るかったのが印象的でした。しかも、湿っぽくないから、役の人間としての厚みみたいのが滲み出してて、あ、人間てこーゆうものか!って。真実味みたいなものを感じました。

 今回の再演でも、この作品のテーマの重さにやられて、ただ暗かった重かったというだけのものでなく、初演で感じたものを大切にしてお届けしたいです。約30人のダンスも壮大なので、段々と形になっていくのが凄く楽しみです。

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