アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介!  

月の剥がれる_出演者紹介_ザンヨウコ

ザン ヨウコ 千葉県出身
イズミミュージカルアカデミーを経て劇団危婦人旗揚げに参加。
2013年同劇団退団。
主な出演作品は、舞台 ぬいぐるみハンター『すべての犬は天国へ行く』、
箱庭円舞曲『もっと美人だった』、映画『サベージ・ナイト』、テレビ『天誅』など。


─『月の剥がれる』という作品についてのザンさんの考えをお聞かせください。

 不思議な、というか、答えの出せない、迷路のような作品であると思います。もちろん戦争はない方がいいし、人は殺さない方がいいに決まっているけれど、現実にそれは起っていて、それを止めるために色々な人が色んな考えで動いているという物語だと思うのですが、じゃあなぜ人を殺してはいけないのか、自分で自分を殺すのであればいいのか、という問いは、難しい──なかなか答えが出せないなって思います。たとえば、単純に「あなたの命が大切だから(殺してはいけない)」という言い方をするとしても、でも自分の命が大切だと思っていない人にはその理屈は通用しないはずだし、誰かを守るために命を捨てることもあり得るはずだし、何が正しいのか、何が「しょうがない」のかっていうのは、分からない。自分なりに一つの答えを出してみても、別の事情、別の環境の上ではわたしの考えはまったく通用しないかもしれない。考えれば考えるほど迷路にはまってしまいます。

 劇中、「自分の命なら自分で殺してもいいでしょ」という思想のもとに、極端な行動をする団体が出てきますが、それはイスラム国みたいなのともちょっと違ってて、或いはチベットの抗議自殺する人たちともまた違ってて、どこまで本気なのかしらって、疑問に感じもします。テロリストとかではなくて普通の人たちのやっていることだから、脅しではなく、実際実行しますよってなったときに、何のためらいもなく自分で自分を殺せるものだろうかって。逆に、じゃあ、そもそも自分を殺せないのはなんでかってことも考えると……これも難しい。わたしのなかでは答えが出ないです。

 大抵の場合、俳優として自分の演じる役のことを考えて、その役を成立させることが作品の精度を上げることにつながると思うんですが、さらに『月の剥がれる』では、それだけでなく、作品が抱えているものを理解する必要があると感じています。お客さんの受け取り方は様々でしょうけど、作り手側としては、或る程度ヴィジョンを持ってやらないといけないと思う。広田君がリストアップしてくれた、普段だったら自分では手を出さないような文献も、読んでみるつもりです。
 

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