アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介! 
月の剥がれる_出演者紹介_細谷貴宏
【撮影:高倉大輔】
細谷 貴宏 大阪府出身 1987年生まれ 
ENBUゼミナール演劇コースを2010年度に修了したのちに俳優活動を開始。
また、自身の作品を上演するためのソロプロジェクト「ばけもの」においては
劇作家・演出家としても活動している。
近年の主な出演作は、ままごと『Theater ZOU-NO-HANA』(演出:柴幸男)、
フェスティバル/トーキョー『春の祭典』(演出:白神ももこ)、
ミクニヤナイハラプロジェクト『東京ノート』(演出:矢内原美邦)など。
アマヤドリ作品には『うれしい悲鳴』以来、今回が2度目の参加となる。


─『月の剥がれる』という作品についての細谷さんの考えをお聞かせください。 

 初演は客席で拝見しています。広田さんの作品の場合は、本作にかぎらず、観終わってから細かいことを記憶しているというより、全体像で受け取っていることが多いのですが、『月の剥がれる』はとりわけそうで、顧みると全体の大きな印象だけを覚えているというような感じです。キリキリした、緊張感のある舞台だったなあというのが初演時の印象でした。

 そして、今回の再演で出演させていただくことになり、台本を読んでみて、これは一つ一つの要素はすごく過剰で、厖大な情報量が詰め込まれていると思う一方、理路整然と物語が組み立てられた作品であると感じています。それで、作り手側としてこの作品をやる上で、自分がこういうふうに出来たらいいなと思っているのは──もちろん、広田さんご自身には伝えたいことがはっきりとあり、その種類も多様で、或いは過剰で、一つ一つのシーンについてもこうして欲しいというイメージが明確にあるような気がするのですが、そうである分、僕は頭でっかちになってやりたくはないな、ということです。つまり、広田さんのおっしゃることに理屈だけで応えるのではなく、さらにそこを越えることができたときに、はじめて面白さが出て来るのではないかな、と。まだ稽古初期の段階ですけど、なんとなくそんなふうに感じています。

 広田さんのなかにはっきりしたテーマがあった上でこの戯曲は書かれていて、テーマを巡る広田さんの思索がそのまま台詞に出ている箇所もある。もちろん、そこに厖大な思索が費やされていることには敬意を表したいですし、これだけの大きな戯曲を書かれたということに尊敬の念を抱いています。ただ、広田さんの考えをそのままなぞるだけでなく、役者一人一人の肉感性、立体性、実在感を踏まえた上での群像劇の面白さというのも目指していければ、と考えています。

 また、それに加えて、広田さんのこの作品を再演しようというテンション、気迫というものに役者全員が呼応しなければならないのだろうとも思います。広田さんと同じ方法でそのレベルに行くことはできないにしても、それぞれが、自分なりの方法で。
 
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