アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介!
月の剥がれる_出演者紹介_沼田星麻
沼田 星麻 東京都出身 1990年生まれ
2013年よりアマヤドリの公演に参加、後に劇団員となる。
外部出演には、ミクニヤナイハラプロジェクト「東京ノート」など。

─『月の剥がれる』という作品についての沼田さんの考えをお聞かせください。 

 『月の剥がれる』に触れた最初は初演の映像だったと思います。そのときは本当にとっちらかっているようなイメージでした。色んな話があっちゃこっちゃに進んでいるから、物語が頭に入って来ない。『月の剥がれる』全体のイメージというのは受け取れなかった。で、その後戯曲も読みましたが、まだまだポイントでしか作品をイメージできていないという感じがある。『月の剥がれる』全体として、あの人の話、この人の話、あの人の考え、この人の考え、というのが多角的に組み合わさってどういう構造をしているのか、っていうのはまだちょっと分かっていない。

 ただ、部分的にはものすごい面白い瞬間がいっぱいある戯曲で、やるのを楽しみしてるんですよ。そう、やるのがめっちゃ楽しみで。再演いくつかやってきたなかでも特に『月の剥がれる』は楽しみにしていて。なんか、戯曲として妙な緊張感があるじゃないですか。「どっちを選んでもあんまりすっきりせえへんわ~」っていう選択をみんなが迫られて、「うーん、しょうがないけどとりあえずこっち……」とみんな苦しんで選んで、「自分はこっちに決めました」ってすっきりした顔してるやつも実際は悩んでいるようにしか見えないっていう、このぐちゃぐちゃした感じは、演じる分には相当新しい試みができるんじゃねーかなって思っています。

 「死」を扱うと、急に迷いますよね。「死」に関する考えって本当に迷うし、自分の命をどう扱うかも迷う。自分が死んでまでやりたいことがあるのか、とか。自分の命を掛けてまで守りたいものなんてあるのかな、実際。仮に自分が死んだら家族が生き残るっていう状況に立ったら、どうするんだろう。自分もそういうことは考えるんですよ、たまに。気になるんですよ、そういう問いを突き付けられて、おまえはどうだ、おれはどうなんだってなる瞬間が、本当に興味深いんですよね。

 観る側としても、葛藤のなかでまがりなりにも人が答えを出す瞬間っていうのは、本当に面白いって思っています。舞台演劇において。「なんとか選んだけど、これは正しいのか?」みたいな、すっきりしない、もどかしい感じ、それでも一個結論を出さなきゃならない渦中の人の苦渋って、やっぱりパワーがあるように見える。「これが正解だ」って分かって突き進んでいるよりも、「間違っているかもしれないが!……」と後ろに引っ張られながら進んでいる人の方が、舞台の上では何よりも強く見える。で、『月の剥がれる』ってそういうパワフルな瞬間がいっぱいある戯曲だと思うんです。みんなの戦う姿勢が見られるのが、今から楽しみですね(笑)。

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