アマヤドリ本公演『月の剥がれる』出演者紹介!

月の剥がれる_出演者紹介_谷畑聡

谷畑 聡  兵庫県出身 1975年生まれ

劇団AUN及びリベルタに所属。
シェイクスピアをはじめとした古典作品を中心に、
最近では現代劇、映画、ナレーションなど活動範囲を広げている。
アマヤドリには
2度目の参加となる。強面だが女子力がやや高い。ちなみに日本人である。

主な出演作品は劇団AUN公演、子供のためのシェイクスピアシリーズ、
TBS 「下町ロケット」、映画「さよならドビュッシー」など。

ー『月の剥がれる』という作品についての谷畑さんの考えをお聞かせください。
 
 
 作品の印象ということでは、広田さんと僕とのあいだではまだギャップがある段階なのかなと思っています。国家のために、理想のために散る、っていう思想を持った人たちが劇中出てきますが、普段の自分がそういう思想とは程遠いところで生きてしまっているので。

 広田さんはすごく政治に関心を持たれていて、そういうことについて詳しいですし、非常に勉強もされた上で、大変なエネルギーを費やしてこの戯曲を書かれている。それを、まだ今は僕自身の持ちうる情報量だけで読んでいるという段階です。政治的なことや、国家がどうかということだけではなくて、こうした政治団体のような組織がどう動いているのか、どういうふうに人を利用しているのか──ということについても、僕のなかにあんまり情報量がない。戦争についてもそうですね、僕らは直接知っている世代ではないですし、海外の戦地に行ったことがあるというのも限られた人だけでしょうから、戦争について安易に意見を持てる立場にはない。右とか左とか、よく言うじゃないですか……でも日本の役者ってあんまりそういうことは口にしないですしね。実際、戦争はいけないですよとか、或いはその逆の意見を作品のメッセージとして打ち出すのではないところに、演劇人の居場所はあるのかなって、なんとなく思います。

 そういう意味では、演じる上で限りなく自由でいたいと思う。「演劇はこうでなくてはいけない」ということに縛られて、逆に不自由になっている人っていると思うんですよ。俺たち自由になるために芝居しているのに。「こういうことはやっちゃいけない」みたいな、そういう方向には進みたくない。戦争ってこういうものでしょ、組織ってこういうものでしょ、こういうことが起きたら悲しいでしょ、という答えを据え置いてしまいたくない。演出家が決めたことは絶対だとしても、役者が何かを生み出す段階では何も決めつける必要はない、って思うんです。

 『月の剥がれる』も、ささやかなメッセージはあるんでしょうけれど、何かの思想がよくない、誰かが死んだら悲しいという描写のある作品ではない。深刻なことも等身大の言葉でちょっとはぐらかして書いている。役者を良いところに持っていってくれる本だと思います。もちろん演じる上で知識として補わなければならないことはあるにしても、あんまり調べすぎて、「こうだ」と意見を固めてしまうよりは、基本的にみんなのお芝居を見ながら、相手役と一緒に自由に作り上げていきたいなと思っています。


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